郷土芸能などを見た感想を書きます

シシ(鹿・獅子など)の出てくる芸能に興味があります

川井八雲神社の獅子舞

川井八雲神社(東京都 奥多摩町)


綱掛り




女獅子隠し ササラが6名





川井の獅子舞を見に行った。


演目 (当日いただいた資料より)

1 笹の葉
2 たんざく
3 弓掛り
4 ほうか
5 女獅子がくし
6 綱掛り
7 太刀掛り


全体の開催時間は8:45~16:45であったが、私は午後遅くに到着し、女獅子がくし(途中から)、綱掛り、太刀掛りを見学させてもらった。

太鼓の音を頼りにお山の道を登り、最初に目に入ったのが森の木の間に干してある藍色の着物だった。前の演目で着たものを乾かしていたのだと思う。良い。

獅子が舞う場所は平らな地面で、その舞庭を見下ろす形で立派な石組の桟敷がある。
神社の本殿はさらにその上に位置する。

獅子は角が剣状の大太夫、巻き角の中太夫、それから女獅子。 
(大太夫と中太夫を自力で見分けられず、現地の方に訊いた)

ささら方が6名いて華やか。そのうち2名の花笠に、月のような金色の丸がついている。



道化役が手に持っていたのがシュロ(シュロチクかもしれない)の葉だった!南国のよう。これが扇のようにも見え格好良い。
道化は舞い終わると親子(?)で見物客にお神酒を注いで回り、楽しい。私も頂いた。そのときには葉を背に挿して後光のようになっていた。



さて、一番見たかった演目、太刀掛り は獅子をやっつける筋書きであった。
「禁庭深く舞い狂う獅子に警護の武士は手に手に太刀をかざし、これを納め」「三匹の獅子は、三ツの頭を残して雲井に昇天する」という話。(当日いただいた資料より)

囃し方が獅子をあやつり、水引、足、のど、と順に刀で刺していき、最後に目を仕留める。ここは解説が入った。今までいきいきと舞い踊っていた獅子が目の前で弱っていくのを見ると悲しいが、最後に頭だけ残して昇天するというのは興味深い結末だと思った。

この太刀掛りが終わると参加者全員で場を一周し、獅子を胴上げして終わる。



 ※参考までに:
 他所の獅子舞を比較するものでもないが、高水山の場合、<獅子が太刀遣いの刀を欲しがり、
 最後には刀をもらって喜び舞い踊る>演目が「太刀懸(がかり)」。
 真剣を用いるので緊張感があり、それでいて内容は可愛らしい。


この日は天気がよくて、お山の緑と木漏れ日が獅子に当たり、たいへん美しかった。

帰り道、山にシュロの木が一本生えているのを見つけ、道化の持っていたのはここから手折ったのだろうかと思った。



大きな建物の真下に、地下空間がある。楽屋のように使われていた



綱掛り


お山の緑が新しい


藤の木


金津流丹内鹿躍

新井薬師(東京)









毎年、節分の日に新井薬師で鹿が踊るという話を聞いていたのだが、今年やっと見に行けた
境内のわりと狭いところで踊るのが大変そうだったが、おかげですごく近くで見られた。幕の▼△がかわいい。
奉納が終わって裏へ去っていく鹿たちの、ササラが木にぶつかるので姿勢を低くして歩いて行くのを皆で見守っていた。

大磯の左義長




年の変わり目に酉の市かどんど焼きに行けると、心持ちが改まる
今年はどんど焼きを見ることができた
お団子の下がった長い竹、わたしが買ったのが最後の一本だった。火で焼いた団子を食べたから今年は風邪をひかない

八ツ鹿踊り

宇和津彦神社・天赦園 (愛媛県 宇和島市)




宇和島の八ツ鹿を見に行った。

朝8時半くらいから、宇和津彦神社で八ツ鹿踊り、巫女舞や獅子舞を見た。それから町の中を練り歩く牛鬼や巫女舞を追い、午後は天赦園の芝生の上で再び八ツ鹿を見た。

宇和島の鹿踊りはもともと東北(仙台)から伝わったものらしいが、東北のシシ踊りとは異なり、踊りも歌も静かだった。頭の造形が、記号化された鹿ではなくてほんものの鹿に近い。
着物には秋の草木が散らしてあってきれい

南予には他にも鹿踊りがあるようだが、ここの鹿は変声期を迎える前の男子に限るらしい。だから歌声が澄んできれいなんだと、現地で知り合った方に教わった。聴くとなるほどその通りだった。








明らかに鹿とわかる頭 角に葉の緑が美しい






牛鬼 いろいろな大きさの牛鬼が居た


巫女舞は、カネと太鼓の早い拍子に合わせての舞だった。美しくて、みとれてしまった。相当な練習を重ねているのであろうと思った。

朝日谷の獅子舞

魚吹八幡神社 (兵庫県 姫路市)




姫路で獅子舞を見た。
演目は14あり、獅子は二人立ち。獅子に入るのは大人だがみんな若者で、勢いがあった。
獅子のまわりを子どもたち(綾子)が舞う。衣装が色鮮やかで、額に巻いている布の刺繍もきらきらしていた。
四方形という演目で、いわゆる継ぎ獅子の場面があった。胴の人の肩の上に頭の人が乗り、その状態で足の下に傘をくぐらせたりする。実際に継ぎ獅子を見たのはこれが初めてだった。見ているだけで緊張した。











諸鈍シバヤ

大屯神社 (鹿児島県 加計呂麻島)







オキナ






シシ


タマティユ この演目だけ人形劇である




諸鈍シバヤを見た。
奄美群島のひとつ、加計呂麻島の諸鈍という集落で、旧暦九月九日に行われる。

いつかどうしても見たいと思っていた。飛行機とバスと船を乗り継いで行ってみた。
10月でも島は真夏で、神社の中には蝉の声が響いていた。


踊りが披露される空間の横に、ガクヤという、たくさんの葉で覆われた小屋があった。覆い方があまりに見事なので、それが小屋だということにしばらく気づかなかった。その名の通り楽屋のようなもので、演じるひとがそこから出てきて、踊り終わるとまた入っていく。


音楽は歌・太鼓・三線(たぶん)・かね など
踊るひとは全て男性で、黒の衣装と、色とりどりの飾りがついた帽子、面をつけている。


演目数は全部で11あった。演目同士の関連性があるというよりは、それぞれ独立した内容だった。歌にあわせて踊る演目や、物語を表現したものなど。


シシのこと
「シシキリ」という演目が気になっていたのだが、これがやはり印象に残った。
美女が野原で舞い遊んでいたら、現れたシシが襲ってくる。それを狩人がやっつけるという物語である。
まず、シシの見た目が怖い。
私の中で「シシ」といえば、東北~関東のシシ踊り・シシ舞の(鹿・猪・竜のような)イメージが強かったのだ。そういう先入観のせいだが、ここのシシがまったくなんだかわからない姿をしていたから、驚いた。けむくじゃらだし、抽象化された踊りではない、地面を這うような動き方も、恐ろしかった。

そして別の意味で怖かったのが、このシシが最終的に「やっつけられて」しまうことだった。狩人ととっくみあいの乱闘を繰り広げたあと、具体的な武器と動作でシシは殺される。シシがヒトにとって ばけもの的な存在・退治する対象として描かれること、それが衝撃的だった。



シシキリも含め、観客の間に笑いが起こる場面が多く、歌や動きが全体的にユーモラスだった。
シバヤのおわりには観客も含めて全員で踊る時間があった。みんな楽しそうで、見ていて楽しかった。

高水山古式獅子舞
高水山常福院 (東京都青梅市)
















念願の、高水山古式獅子舞を見ることができた。
大太夫、小太夫、女獅子、ササラスリ4人

第1庭 御幣懸(おんべいがかり)
第2庭 花懸(はながかり)
第3庭 三拍子
第4庭 竿懸(さおがかり)
第5庭 女獅子隠(めじしがくし)
第6庭 太刀懸(たちがかり)(白刃の舞)

10時から16時すぎまで、通して見た。麓の常福院のお庭にて(山の麓、といっても十分山の上だった)

獅子が舞うと時折毛羽が抜け落ちるのだが、それを世話役の人が拾い、どうするのかと思えばササラスリの花笠の真ん中に挿していた。面白かった。

竿懸の竿は青竹の棒で、女獅子・小太夫・大太夫の順で一頭ずつ竿をくぐろうと試みる。一通り舞って最後に竿へ体当たりするという流れだが、女獅子を除く二頭の体当たりでは青竹が折れた。最初に折れたとき替えの竹が出てきたから、折ることが前提となっているのかもしれない 。勇ましい。

庭ごとにかなり詳しく解説があり、女獅子隠しの唄を書き留めることができた。

 思いもかけぬ朝露が下りて
 そこで女獅子が隠されたよ(う)な

自力で唄を聞き取れたためしがないのでうれしい。

高水山の獅子舞は、最後の白刃を特に楽しみにしていた。獅子のほかに太刀遣いが2人登場し舞うのだが、ここで使う刀は刃を落とさない真剣で、つまり本当に切れる。太刀遣いは真剣を持って舞うし、終盤、獅子は幕越しに刀を直接(紙は巻いていたが)口に咥える。舞う人も見る人も緊張するのがわかった。
獅子1頭につき太刀遣い1人(女獅子を除く)の組み合わせで、一連の舞を、手に持つものを変えながら繰り返す。そしてどんどん盛り上がっていくのだが、その手元に最初にあったのが椿の花で、赤色にはっとした。

たいへん美しい獅子舞だった。

菅の獅子舞
薬師堂











菅の獅子舞を見た。強く印象に残ったのは観客の多さ。油断して開始直前に現地入りしたためどこで見たらいいか迷ったが、ありがたいことに境内が山を背負うような立地だったので、斜面の上のほうから見学することにした。おかげで人が多くてもよく見えた。

舞手は雄獅子、雌獅子、臼(久)獅子、天狗、幣負(へいおい)の4人。(この呼び名は当日聞き取れなかったので川崎市のホームページより引用)
臼(久)獅子の名の由来は何だろう…

飛んだり跳ねたりする動作が多く、何より、動きが面白かった。見ている人々からも自然に笑いが起こるような、面白さが強調された獅子舞は新鮮だった。もちろん面白いだけでなくちゃんとかっこいい。これだけ人が集まるのも納得だった(足を運びやすい立地であるのも理由の一つだと思うが)

舞う場所もしっかり設えてあって、屋根つきの土俵だった。特筆すべきことだと思うのだが、その土俵の四方の柱に、シシの皮が貼り付けてあった。私には猪か鹿か判別できなかったが、シシの皮だ…!と何かハッとするものがあった。近寄ってよく見ればよかったと思う。

大島諏訪明神の獅子舞











大島諏訪明神の獅子舞を見た。
剣獅子・巻獅子・雌獅子の3頭と、鬼・天狗・岡崎

角の形が3頭とも違った。剣獅子の角は2本(剣状)だが、巻獅子の角は大小2本ずつの4本(らせん状)、雌獅子の角は額の真ん中に控えめに1本であった。
獅子の袴の裾は絞らないもの、後ろ髪は揃って赤く長いい。かっこいい

舞の始まる前の流れが興味深かったので書き留めておきたい。
境内の中央に篠竹と注連縄で四方を囲んだ場があり、ここを目指して鳥居の方から天狗と鬼を先頭に、獅子が歩いてくる。鬼か天狗か失念してしまったが、どちらかがこの注連縄の一辺を刀で切る(実際には切る動作をし、横にいる世話役の人が縄の結び目をほどく)
この囲まれた場の真ん中には砂の山が作ってあり、そこには初めから御幣が挿してあるのだが、これを引き抜き、砂山を平らにならしたところで舞が始まった。

舞は飛んだり跳ねたりの動作よりも腰をおとした動きが多かったように思う。

ところで花飾りのたくさんついた万灯が2本あったのだが、ここでは地面に固定するのではなく、ずっと人の手で支えていた。

大人の舞う奉納のあと、時間を半分にしたという子どものみの奉納があったが、こちらの獅子は新しいぴかぴかの頭だった。

下郷郷土芸能保存会
吉野梅郷 梅まつり



















吉野梅郷(青梅市)の梅まつりで梅と三匹獅子舞が観られるというので、友人とともに出かけた。
会場は道路で、路沿いに居囃子の屋台が並んでおり、面白かった。

獅子が三匹、花笠4人、ヘイオイ、御幣持ち

獅子舞は下郷郷土芸能保存会、篠竹で四方を囲んだ中で舞う。衣装が上下そろいの生地で、その青が美しかった
花笠の頭上の飾りは紙のお花、顔を隠す布の一部に獅子の衣装と同じ青いものが使われていた

大東高校鹿踊部
建長寺













鎌倉の建長寺で、大東高校鹿踊部(岩手・行山流)の奉納を観た。

鹿は顔が見えないので、声を聞くまで中の人の性別がわからないのだが、今回は第一声が想像より高かったので少しびっくりした。つまり殆ど女の子だった。
(あとで撤収しているところを見たら男子も一人居たよう)

鹿踊を観るようになってから日が浅い私でも大東高校鹿踊部の名は知っていたので、一度観てみたいと思っていたのだが、思いがけず関東でお目にかかることができて嬉しい。

かっこよかったな~~~~~~~!!!!!

建長寺の金色の門を背にして踊っていたのだが、それがまた良い感じだった


13.03.09

町田市郷土芸能まつり
町田市民ホール




矢部八幡宮の獅子舞の頭

第33回町田市郷土芸能祭りを見た。
会場への到着が遅れ獅子舞は観られなかったが、お囃子をいくつか観ることができた。

13.03.10






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